人間にそなわった自然治癒力で、瞬時にがんが消えることもある
東日本大震災から12年。被災した方たちはもちろん、テレビで津波や原発の爆発を見た人も、あのときの衝撃は忘れられないでしょう。しかし、絶望的な悲劇に包まれた中で、暗闇に光を投じるような奇跡のドラマもありました。これはある一人の女性の話です。
Mさんは末期のがんで入院していました。がんは全身に転移し、余命も宣告されていました。
点滴が外れ、久しぶりにお風呂に入っていた時、そこで大きな揺れに襲われました。看護師さんに支えられ、タオルにくるまって屋上へと逃げ出しました。
轟音とともに襲いかかる津波。ギリギリのところで迫りくる大波から逃れたとき、流されていく人たちがいるのを何人も見たそうです。

“どうしてわずかな命しかない自分が助かって、未来のある若い人たちが海に飲まれていくのか…、代われるものなら私が…”と本気で思ったそうです。
そこで呆然としていると、看護師さんから厳しい顔で言われたそうです。
「残った私たちには、生きる義務がある。泣いてなんかいられないんだ!」
ハッと思ったMさんは、数日後には高台にあった実家に戻って、蓄えてあった食料を使って、被災者のための炊き出しを始めたそうです。
「あんなに重症だったのに、よく動けたと思います」
奇跡がわかったのは、その3ヵ月後でした。病院で検査したら、全身のがんがきれいに消えていたのです。
なぜ?主治医も治る可能性は極めて低いと認識してました。病院の治療も治すための治療ではなくなっていました。事実、Mさん本人も“治ろう”という思いよりも、半ば諦めに近い心境になっていたそうです。にもかかわらず、がんが消えたのです。
「恐らく、実家へ戻ったときには、がんは消えていたのではないのでしょうか。だから、驚くほど軽快に動けたのだと思います」それは瞬時にがんが消えたと言ってもいい状態だったのです。
滅多にないことだから奇跡と呼ばれます。しかし、奇跡は本当に起こります。
彼女の体験は、人間の持っている生命力の本質を教えてくれているような気がします。人間には、どんな病気であっても、瞬時に治癒させるような力が備わっているのではないでしょうか。
がんになると治療法ばかりを探してしまいますが、最高の治癒力は外から与えられるものではなく、自分の中にそなわっているのだと思います。
彼女の場合、大地震や大津波がきっかけとなって、誘発されたといってもいいでしょう。だからといって、地震や津波にあえば、がんが消えるというものでもないです。人によって、治癒のスイッチがオンになる場面というのは違っているでしょうから。
いずれにせよ、病気を超えたところに意識が向かったとき、最大の治癒力が発動するのでしょう。病気を“治そう治そう”と執着しているうちは、なかなか病気は良くなりません。ですが、病気とか治療法などを突き抜けたところに、私たちの常識を超えた奇跡が、起こってくるのではないでしょうか。
どのような機会に奇跡が起こるかはわかりません。ですが、いざという時に命の力を最大限に発揮できるように、治癒力を高める準備しておくといいと思います。
Mさんのような例があることを知って、自分の中にも奇跡の治癒力が眠っていると信じることです。

