適量ならばお酒は百薬の長になる

 お酒は昔から“人の心をなごませ、人間関係を円滑にする”というありがたいものでした。適量のお酒は体にもいいということで、『百薬の長』と言われています。

 病気になるとお酒をやめる方は多いと思いますが、がん治療の大家である帯津良一先生は「お酒は養生だから毎日飲まないとダメだ!」とおっしゃってます。もっとも、“大病をした人はたくさん飲まない”という前提があってのことです。

 たしなむ程度にお酒を飲んで、気持ちが愉快になり、家族や友だちとの会話が盛り上がれば、心がときめいて、免疫力がアップするというのが帯津先生の考え方です。

 また、江戸時代の養生家である貝原益軒はこう言っています。

「酒は天の美禄である。少量の飲酒であれば陽気になり、血行も良くなり、食欲も出て、愁いを忘れ、やる気が起こり、たいへん利益がある」

 酒は百薬の長であり、天の美禄だけれども、適量に留めておくというのが両大家の共通する意見です。飲み過ぎると周りにも迷惑をかけるし、体にも良くないです。

「ただし多量に飲むと人を害する事、酒に過ぎる物はない。水や火が人の役に立つ反面、人に多くの災いをもたらすのと同じようなものだ」(貝原益軒)

 実際、医学的な研究によると、適量のアルコールは心筋梗塞や脳卒中の予防になることがわかっています。アルコールによって緊張がほぐれ、リラックスできるという効果もあります。リラックスすれば免疫力もアップします。

 飲酒率と死亡率の調査では、男女とも、一日の飲酒量が日本酒1合未満の人が、最もリスクが低くなっています。

 お酒は楽しみで飲むことです。憂さ晴らしに飲んだり、粋がって飲むのは間違っています。説教をされながら飲む酒も体に悪いでしょう。

 適量と言われる量も人それぞれ違いますが、自分も周りの人も楽しく愉快に過ごせる程度の量と、飲み方ができるようコントロールすることが、酒を“百薬の長”にするコツになります。

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