人生の幸せは、後半にあり! Vol.1

 江戸時代の儒学者 貝原益軒は、『人生の幸せは、後半にあり』と述べています。益軒は、後半の幸せのために体を大切にし、長生きすることが大切だと説いています。

 益軒が生きた江戸時代、長男は家業を継ぐのが当たり前で、次男、三男も自分の好きな仕事に就くことはできませんでした。定年になって初めてやりたいことができた時代です。

 しかし、寿命も短く、定年になった頃には体が自由に動かず、せっかく時間ができても何もできない人も多いかもしれません。

 “若い頃には家業に打ち込み、年を取ってから好きなことをやる” それが当時の人たちの望みでした。しかし、そのためには健康で長生きでないとなりません。

 益軒は、養生を実践し83歳まで生きました。当時としては大変な長生きです。

 でも、彼のすごさは養生によって長生きしたことではなく、70歳まで黒田藩で働き、退職してからずっとやりたかった著述業に没頭して、10数年で200冊以上もの本を書き上げたことです。そのうちのひとつが『養生訓』で、300年以上経った今でも多くの人に愛読されています。

“仕事を退いたら本を書きたい” と思い続け、彼はずっとエネルギーを貯めていたのだと思います。そして、退職と同時に一気に解き放ったのでしょう。

(Vol.2につづく)

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