ウイルスとの戦いから、ウイルスと共生する世界へ…

 分子生物学者の福岡伸一さんが、ウイルスについてハッとするような話を新聞に寄稿していました。ウイルスが体内に侵入して、更に細胞の中に入り込もうとするときに、私たちのイメージでは、強引に乗っ取ろうとするウイルスに対して、細胞が懸命に防御する姿を浮かべます。
 しかし、実際に福岡さんが観察したところ、細胞とウイルスは恋人同士のように仲良く合体していて、まるで細胞がウイルスに手を貸し、自分の中に入り込ませているようだと言います。
 それはどうしてか…?“生物が進化するため”だと言います。ウイルスというのは、遺伝子がたんぱく質の殻に包まれている状態の、生物とも無生物とも言える存在です。
 では、ウイルスの遺伝子はどこから来たのか…。福岡さんによると、人間など高等動物の遺伝子の一部が、体から飛び出したものなのだそうです。それが空気中を漂い、別の種や人の体内に入り込むことで、単なる親から子への遺伝子の伝達だけでなく、もっとダイナミックな進化を引き起こすのです。
 いくら医学や科学が発達したとはいえ、私たちは生命のほんの一部のことしか解明できていません。ウイルスに関しては、ほとんどわかっていない状態なのです。「悪者」と決めつけて、死滅させるための方策ばかりを考えていては、その先に答えはないかもしれません。
 まさに「ウイルスと共生」する社会が待ち望まれます。それは、人類の敗北ではなく、人間第一主義から、人間も自然の中の一部として生きる大きな進歩になります。
 さらに進むと、病気とは何なのか…生とは、死とは?という深い命題にも、光が当たるようになり、生命の本質に近づけるのではないでしょうか。
ムコ多糖で体の細胞環境を整えて、次なる時代を迎えましょう。

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