生命エネルギーのバランスを整える呼吸法
チベット聖者の教えにあるチベット医学では、薬で治らない病気などに対して、“真言の修行”による治療を行います。真言というのは音と呼吸を通して患者さんのエネルギーに影響を与え、エネルギーバランスの崩れを調整するというものです。
西洋医学では、病気というのは臓器に何らかの異常が生じることを言いますが、チベット医学では臓器に何らかの異常が発生する前に、目に見えない生命エネルギーが不調和を起こしていると考えます。中国の“気”による治療も同じ考え方です。
ストレスは病気の原因になると言われており、ストレスで胃潰瘍になる人がいます。西洋医学では、ストレスによって胃の粘膜がダメージを受けると、手術や薬剤などで潰瘍に対して直接的な働きかけをします。
しかし、チベット医学、中国医学はそうではありません。大きなストレスがかかると、その人を生かしている生命エネルギーのバランスが崩れるので、胃の粘膜の血流が悪くなり、そこに潰瘍ができると考えます。
ですから、薬を飲めば一時的には潰瘍は治まるかもしれませんが、根本的な原因である生命エネルギーのバランスが崩れていれば、再発したり、別のところに異常が出ると考えます。
潰瘍を抑えるための薬剤療法も一時的には必要なことがあります。しかし、そこで終わらないで、生命エネルギーのバランスを整えることで、再発を防ぐことができます。がんの治療でも、いくら手術で病巣を取っても、再発してしまうことはよくあります。これも、根本原因を取り除いていないからだと考えられます。
生命エネルギーのバランスを取り戻すのに、自分でできる非常に有効な方法が“呼吸法”です。誰もが当たり前のように行っているので、なかなか呼吸の大切さはわかってもらえませんが、どんな呼吸をしているかによって生命エネルギーの状態が変わってきます。
様々な健康法を実践していて食生活にも気を配っているけれども、なかなか成果が出ないという人がいましたら、ぜひ呼吸法に取り組んでください。方法はいろいろありますが、基本は“長く深くゆっくりとした呼吸”です。
コツとしては、まずは息をしっかりと吐き切ることです。吐き切ってしまえば、自然にたくさんの空気を吸い込みます。“吐き切る、吸う”を繰り返すだけで、長くて深いゆっくりとした呼吸が行えます。寝る前や、朝起きたとき、仕事の合間やお風呂の中など、気がついたときに何回でもやってみてください。
最も大切なことは“続けること”です。1日、2日やっただけで体調が良くなるというものではありません。毎日、わずかな時間でも続けることで、それが1ヵ月経ち、半年…1年と経つと、生命エネルギーのバランスが整ってきて、体調の変化がわかるようになるでしょう。長くて深い呼吸を、ぜひ実践してみてください。
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